空空寂寂 くうくうじゃくじゃく
何も無く静かな様子。または無関心や煩悩のない無心な状態。この世の形の有るもの無いもの全ては実体や本性が空で思惟分別を超えているということ。
空空漠漠 くうくうばくばく
広くて果てしない様子。またはぼんやりとしている状態。
空穴来風 くうけつらいふう
隙間があるから穴に風が入ってくる。隙を見せるから噂が流れる。火のない所には煙りは立たないということ。
空谷跫音 くうこくのきょうおん
孤独なときに受ける珍しくてうれしい訪問や便りのたとえ。予期せぬ喜びのこと。または、孤立した状態での自分の意見に賛同する人を得た時に用いる言葉。
空前絶後 くうぜんぜつご
現在や過去にはそれに類する物事がなく、将来にもなかろうと思われる、ごくまれなさま。頻出語。
偶像崇拝 ぐうぞうすうはい
神仏を具象するものとして作られた像などを、信仰の対象として重んじ尊ぶこと。また、あるものを絶対的な権威として無批判に尊ぶこと。
空即是色 くうそくぜしき
固定的実体がなく、空であることによってはじめて現象界の万物が成り立つということ。色即是空に続く語。
空中楼閣 くうちゅうろうかく
蜃気楼のこと。転じて、根拠のないことがら。また、実際からかけ離れた空想的な物事。画餅。机上の空論。
空中分解 くうちゅうぶんかい
飛行中の航空機などが事故のため空中でばらばらに壊れること。転じて、組織・計画などが中途でだめになること。
空理空論 くうりくうろん
現実とかけ離れていて、実際に役に立たない理論のこと。
倶会一処 くえいっしょ
多くの人々がともに一所に集まり会うこと。仏教語で、阿弥陀の浄土に往生して、浄土の人々と一所に会同すること。
久遠実成 くおんじつじょう
真実の仏は、久遠の昔に成仏している。歴史的人物としての釈尊は、実際には永遠の昔から成仏していて、根本的な悟りそのものになっていた、ということ。
苦海十年 くかいじゅうねん
遊女の務めは「苦海十年(苦界とも書く)」と呼ばれ、十八歳から二十七歳くらいまで遊女として勤めた。
苦学力行 くがくりっこう
働いて学資を得て、苦労しながら懸命に勉強すること。くがくりきこう。
苦髪楽爪 くがみらくづめ
苦労の多い時には、髪の毛がよく伸び、楽をしている時には、爪がよく伸びる、ということ。苦爪楽髪は現象が逆。
区区之心 くくのこころ
とるにたらない小さな考えや心。自分の考えや心のことを謙遜していう言葉。
区区之衆 くくのしゅう
わずかの兵。小人数。
区区之節 くくのせつ
とるにたりない貞節・忠節。自らの節義を謙遜していう。
愚公移山 ぐこういざん
愚公山を移す、どんなに困難なことでも辛抱強く努力を続ければ、いつか必ず成し遂げることができるというたとえ。 継続は力なり。
苦口婆心 くこうばしん
(親切心から)くどくど忠告する。相手を気づかい、何度も教えさとすこと。
草足水足 くさたりみずたる
仏法を徹底的に修業した人は、あらゆる物事にこだわることなく淡々と仏の道を実践するものであるということ。
九思一言 くしいちごん
九思とは君子が心がけなくてはならない九つの事柄。きゅうし。論語に「君子に九思有り。視るは明を思い、聴くは聰を思い、色は温を思い、貌は恭を思い、言うは忠を思い、事は敬を思い、疑わしきは問うを思い、忿には難を思い、得るを見ては義に思う」。この九つの事を心がけた一言のこと。
九識十名 くしきじゅうみょう
摂論宗の祖真諦の立てた人間の心のあり方の分類。眼、耳、鼻、舌、身、末那、阿頼耶の八識に阿摩羅を加えたもの。第九菴摩羅識に,真識・無相識・法性識・仏性真識・実際識・法身識・自性清浄識・阿摩羅識(無垢識)・真如識、不可名識の十識をいう。または法相宗では、心は阿頼耶識までの八識とする。天台宗では阿摩羅識を加えて九識、真言宗ではさらに乾栗陀耶識を加えて十識とする。
九尺二間 くしゃくにけん
間口が九尺、奥行きが二間の家。狭くてみすぼらしい家のこと。
愚者一得 ぐしゃのいっとく
愚か者でも、偶に名案を出すことがある。愚者の意見も参考にすることが大事だということ。
九十春光 くじゅうのしゅんこう
春三か月(九十日)間ののどかな景色。
苦尽甘来 くじんかんらい
苦去りて、楽来たる。苦しい時が去って、やっと楽しい日が訪れること。
苦心惨憺 くしんさんたん
あれこれと心を砕いて苦労を重ねること。
薬九層倍 くすりくそうばい
暴利をむさぼるたとえ。薬の売値は原価よりはるかに高く、儲けが大きいことから。
九寸五分 くすんごぶ
長さが九寸五分(約30センチメートル)あるところから短刀・あいくちのこと。二尺八寸が刀。
苦節十年 くせつじゅうねん
長い間物事がうまくいかなくても、成功を信じて努力を続けること。苦労を振り返って用いることが多い。
九損一得 くそんいっとく
十回のうち得になるのは一回ということ。費用ばかりかかってほとんど益のないこと。
口先三寸 くちさきさんずん
おしゃべりの巧みさで人をだますこと。
苦爪楽髪 くづめらくがみ
俗世の苦楽の様子のことで、苦しい時は爪がよく伸び、楽をしている時は髪がよく伸びること。苦髪楽爪は現象が逆。
口伝耳受 くでんじじゅ
口で伝えられたことを耳で聞くこと。または人から聞いた意見の受け売りをいうこと。
苦肉之計 くにくのけい
苦し紛れの策略のこと。または、自らの体を苦しめることまでして、敵を欺く策略のこと。三国時代、赤壁の戦いで呉の黄蓋が魏のスパイの前で、自らの意思で刑を受け、見限っての投降と思わせて、敵の陣営の船団に火を放ち形勢逆転した故事から。
苦肉之策 くにくのさく
苦し紛れの策略のこと。または、自らの体を苦しめることまでして、敵を欺く策略のこと。三国時代、赤壁の戦いで呉の黄蓋が魏のスパイの前で、自らの意思で刑を受け、見限っての投降と思わせて、敵の陣営の船団に火を放ち形勢逆転した故事から。
国之爪牙 くにのそうが
国家を守る勇ましい武臣。
九年面壁 くねんめんぺき
長い期間一つのことに専念してやり遂げること。または、長い期間勉学に勤しむこと。達磨大師が嵩山の少林寺にこもって、九年間壁に向かって座禅を組んで悟りを開いたという故事から。
狗吠緇衣 くはいしい
いつも着ている服装を変えれば疑われるのは当然であるということ。楊布が白い服で出かけたが雨に降られたので、黒い服に着替えて帰ると、飼っている犬に吠えられたという故事から。
狗馬之心 くばのこころ
地位が上の者への忠誠心、誠意のこと。犬や馬のように恩を忘れず主人に仕えて、少しずつでも恩返しをするという意味。君主に対する自分の忠誠を自らを卑下していう言葉。
狗尾続貂 くびぞくちょう
劣った者がすぐれた者のあとを続けるたとえ。すぐれた者に粗悪な者が続くたとえ。もと官爵をみだりに出すのをののしる語。西晋の趙王司馬倫が帝位を称し,一族の者をつまらない者まで多数高位高官につけたために,冠に使うテンの尾が不足し犬の尾で代用するようになるだろうと人々が嘲ったという故事から。
九分九厘 くぶくりん
ほとんど完璧なもの。ほぼ間違いないこと。十分のうちの九分九厘という意味から。頻出語。
九分十分 くぶじゅうぶ
たいした違いはないこと。大同小異。五十歩百歩。(しかし完と未完なら隔たりは大きい)。
求不得苦 ぐふとくく
求める物が得られない苦。四苦八苦のひとつ。
区聞陬見 くぶんすうけん
学問や見識が狭く、偏っていること。
九品往生 くほんおうじょう
仏教で極楽浄土に往生するときの九種類の方法のこと。生前の功徳によって、上品、中品、下品に分かれており、さらにそれぞれに上生、中生、下生がある。その違いによって九等級の蓮台に迎えられるとされている。
九品蓮台 くほんれんだい
極楽浄土に往生した者が座る蓮(はす)でできた台は、生前の行いによって九等級に分かれるとされている。上品、中品、下品に分かれ、さらにそれぞれに上生、中生、下生がある。
九間一丸 くまいちまる
江戸時代、寛文・延宝ごろの隅田川の船遊びの代表的町屋形船で、金・銀をちりばめるなど豪華な装飾を加えた大屋形を設けたもの。
工面十面 くめんじゅうめん
くふう、やりくりのことで、多く金策の場合に用いる。
愚問愚答 ぐもんぐとう
くだらない問答のこと。つまらない質問と、ばかげた回答のこと。
車如流水 くるまりゅうすいのごとし
車の往来が頻繁に切れ目なく続くさま。
桑原桑原 くわばらくわばら
雷鳴の時、落雷を避ける呪文として用いる語。叱言、小言のカミナリにも用いる。また、一般に忌まわしいことを避けるためにも言う。大宰府に流された菅原道真は、憤死して雷神と化し、復讐をしたが故郷(領地ともいう)の桑原にだけは、雷を落とさなかったとされる。そこで雷除けのおまじないとして「くわばら、くわばら」(ここは桑原だ桑原ですよ)が生まれた。
君恩海壑 くんおんかいがく
君主の恩は海や谷のように深いこと。
群蟻附羶 ぐんぎふせん
人々が利益のあるところに群がることをいやしんでいうたとえ。羶は生臭い肉。
群疑満腹 ぐんぎまんぷく
心が多くの疑問でいっぱいになること。また、多くの人がみな疑いの心を抱くこと。
群軽折軸 ぐんけいせつじく
微細なものでも数多く集まれば大きなものになるたとえ。小さい力もこれを合わせ集めれば大きな力となるたとえ。叢軽折軸。
群鶏一鶴 ぐんけいのいっかく多くの凡人の中で、極めて優れている一人の人物のこと。鶏の群れの中にいる一羽の鶴という意味から。鶏群一鶴。
焄蒿凄悽 くんこうせいそう
強い香りを放って、いたましくすさまじいこと。鬼神から立ちのぼる気の形容。
君子固窮 くんしこきゅう
君子といえども人間、もちろん困窮することもあるという意味。
君子殉名 くんしじゅんめい
君子は自分の名誉を守るためならば身を犠牲にもする。
君子九思 くんしのきゅうし
九思とは君子が心がけなくてはならない九つの事柄。論語に「君子に九思有り。視るは明を思い、聴くは聰を思い、色は温を思い、貌は恭を思い、言うは忠を思い、事は敬を思い、疑わしきは問うを思い、忿には難を思い、得るを見ては義に思うしある。物はしっかりと見る、話は正確に聞く、表情はいつも穏やかに保つ、手厚く礼儀正しい姿勢、言葉は真心を持って偽らない、仕事は慎重にする、疑問には質問する、怒る時にはその後どうするか考えておく、道義を犯して利益を貪らないという九つのこと。
君子三畏 くんしのさんい
天命、有徳の大人、聖人の言という人がおそれ慎むべき三つのこと。
君子三戒 くんしのさんかい
少年期の色欲、壮年期の闘争、老年期の物欲という人が自ら戒めておくべき三つのこと。
君子三楽 くんしのさんらく
父母と兄弟が元気で健在なこと、正しい行動をして、正しい心を持って天に恥じない生活をすること、すぐれた才能を持つ人を見つけ出し教育することという三つの楽しみのこと。
君子懐徳 くんしはとくをおもう
立派な人間は、徳を修め磨くことを心掛ける。
君子慎独 くんしはひとりをつつしむ
君子は自分がひとりだけでいる時も、心を正しく持ち言動をつつしむ。小人閑居して不善を為すに続く言葉。
君子万年 くんしばんねん
高い徳を持っている高潔な人は長く生きるということ。または、長生きを祈願する言葉。
君子豹変 くんしひょうへん
間違いを犯したら、君子はすぐに認めて心から全面的に改めるが、小人は注意を受けても上っ面を変えるだけで誤りを認めるわけではない。転じて、信念を持たずに考えや態度をあっさりと変えること。元は良い意味で使われていたが、現在は君子は無視され豹変のみ強調され悪い意味で使われることが多い言葉。かつては「間違いを犯したら君子がそうであるように豹変しなければならない」ということであった。頻出語。
君子不器 くんしふき
君子は器ならず。器物はある用途にのみ有効であるが、君子はそうした一能一芸にのみすぐれるのではなく、広く何事にも通用する才能をもつということ。
君子万年 くんしまんねん
高い徳を持っている高潔な人は長く生きるということ。または、長生きを祈願する言葉。
葷酒山門 くんしゅさんもん
くさいものや酒を飲んで山門に入ることを禁じた語。禅寺の入口には「不許葷酒入山門」葷酒山門に入るを許さず、と書かれている。にらやねぎ、にんにくなどの強い匂いを発する野菜は精力を無駄につけ、酒も心を惑わすもので、どちらも修行の邪魔とされる。
君辱臣死 くんじょくしんし
君(きみ)辱(はずかし)めらるれば臣死(しんし)す。君主が恥をかかされれば、臣下は命を投げ出してでも、その屈辱をはらさなければならないということ。主人と部下が一体であること。
君臣遇合 くんしんぐうごう
明君と賢臣とがうまく出会うこと。
君臣水魚 くんしんすいぎょ
水と魚との関係のように君臣の間の親密なこと。蜀の劉備と諸葛亮の親密な交わり。
君側之悪 くんそくのあく
君主のそばに仕えている悪人のこと。君主への影響も大きく君主の政道を誤らせる人物。または、君主に媚を売り、悪いことを企んでいる人のこと。
薫陶成性 くんとうせいせい
すぐれた人間を作ること。
群雄割拠 ぐんゆうかっきょ
英雄達が各地に拠点を構えて覇を競うこと。実力者たちがそれぞれ勢力を持ち、対立すること。頻出語。
群竜無首 ぐんりゅうむしゅ
多くの竜がいても、頭目の竜がいない。指導者を欠き、物事がうまく運ばないたとえ。 ぐんりょうむしゅ。