四字熟語


栄位勢利 えいいせいり
名誉と地位と権力と利益。

 

盈盈一水 えいえいいっすい
愛する人に、言葉をかけることが出来ない苦しい思いのこと。牽牛と織女の七夕伝説を題材に、一筋の天の河があることで、見つめるだけで会話することが出来ない切なさをうたった詩。文選古詩十九首。

 

永永無窮 えいえいむきゅう
果てしなく続くこと。終わりのない永遠に続く長い時間。

 

永遠偉大 えいえんいだい
いつまでも立派なこと。いつまでも大きいこと。

 

永遠不変 えいえんふへん
いつまでも変わらないこと。

 

永遠不滅 えいえんふめつ
いつまでも滅びないこと。いつまでも無くならないこと。

 

永遠無窮 えいえんむきゅう
果てしなく続くこと。終わりのない永遠に続く長い時間。

 

影駭響震 えいがいきょうしん
はなはだしく驚き恐れること。 物影を見るだけで驚き、僅かな音を聞くだけで恐れ、震えること。 恐れおののき、びくびくしている様子。(1級)

 

栄諧伉儷 えいかいこうれい
栄えて仲のよい円満な夫婦のこと。(1級)

 

栄華栄耀 えいがえいよう
富や権力を得て栄え、贅沢を極めること。または、家が富や権力で繁栄すること。

 

栄華秀英 えいがしゅうえい
草木の花の総称。 「栄」は草の花、「華」は木の花、「秀」は実を結ぶが花が咲かないもの、「英」は実を結ばないが花は咲くもの。

 

栄華之夢 えいがのゆめ
人の繁栄は一時的なもので、長い期間続くことはないということ。人の栄華は夢のように儚いもので、すぐに終わるということ。

 

英華発外 えいかはつがい
内面のすぐれた精神や美しさなどが表面に表れること。もとは、人を感動させるすぐれた音楽についていった語で、内面に蓄えられたすぐれた精神が力強く外に表れ出て、美しい曲調をなすことをいったもの。

 

永久不変 えいきゅうふへん
いつまでも変わらないこと。

 

永劫回帰 えいごうかいき
ニーチェの思想で、経験が一回限り繰り返されるという世界観ではなく、超人的な意思によってある瞬間とまったく同じ瞬間を次々に、永劫的に繰り返すことを確立するという思想。

 

永劫無極 えいごうむきょく
いつまでも続いて、極まりがないこと。

 

栄枯窮達 えいこきゅうたつ
栄えることと衰えること、また困窮することと栄達すること。

 

栄枯盛衰 えいこせいすい
栄えたり衰(おとろ)えたりすること。または、繁栄しても衰退する人の世界のはかなさのこと。頻出語。

 

栄枯転変 えいこてんぺん
人の境遇が、栄えたり衰えたり、移り変わること。

 

英姿颯爽 えいしさっそう
堂々とした立派な容姿で勇ましくきびきびとした様子。颯爽とした秀でた姿。(1級)

 

永字八法 えいじはっぽう
漢字の「永」の字には、書に必要な技法8種が全て含まれているという事を表した言葉。側(ソク、点)、勒(ロク、横画)、努(ド、縦画)、てき(テキ、はね)、策(サク、右上がりの横画)、掠(リャク、左はらい)、啄(タク、短い左はらい)、磔(タク、右はらい)の八法。

 

英俊豪傑 えいしゅんごうけつ
多くの人の中で特に人並みはずれてすぐれている人のこと。「英」は万人、「俊」は千人、「豪」は百人、「傑」は十人、それぞれにその中の一人の逸材という意味。

 

郢書燕説 えいしょえんせつ
無理にこじつけること、意味の通らないことを、もっともらしく説明すること。郢の人が燕の大臣に手紙を書いたときに、周りが暗かったので「燭を挙げよ」と言うと、その言葉を書記がそのまま手紙に書いてしまった。これを読んだ燕の大臣が「賢人を登用せよ」という意味だと無理矢理解釈して王に進言して実行すると国がよく治まったという故事から。(1級)

 

潁水隠士 えいすいのいんし
利欲にとらわれることのない、気高く清らかな人のたとえ。または古代の隠者「許由」のこと。尭帝が許由に天子の位を譲る話をしたところ、許由は汚れた話を聞いてしまったと言い、潁水の水で耳をすすいだという故事から。(1級)

 

永垂不朽 えいすいふきゅう
名誉や名声、業績などが伝わり、決して滅びることがないこと。

 

永世中立 えいせいちゅうりつ
他国間で戦争が起こっても介入することなく、自国の中立を他国から保障、承認されること。国内での外国の軍の行動を認めず、軍事的脅威には自国のみで解決する必要がある。平和主義などとは違い、自国を防衛するための軍が存在する。

 

影隻形単 えいせきけいたん
影が一つ、体が一つという意味から、孤独で独り身のこと。

 

詠雪之才 えいせつのさい
文才がある女性のこと。晋の王凝之の妻の謝道蘊が、降る雪を白い綿毛がある柳の種子にたとえた詩を詠み、文才をたたえられた故事から。

 

永代供養 えいたいくよう
長い年月に渡って、故人の死後の幸福を祈り続けること。または、寺院や霊園に永代に渡って故人の忌日や彼岸などに読経をして、死後の幸福を祈り続けてもらうこと。

 

曳尾塗中 えいびとちゅう
高い地位で窮屈に生きるよりも、身分が低くても、のびのびと暮らすほうがよいというたとえ。楚王から役人に登用したいと言われた荘子が、「亀は殺されて甲羅を占いに使われて尊ばれることと、泥の中をはいずりまわってでも自由に生きることのどちらを選ぶか」と言い断った故事から。

 

英邁闊達 えいまいかったつ
才知が非常にすぐれ、心が広くおおらかなこと。

 

盈満之咎 えいまんのとが・えいまんのとがめ
「満ちれば欠ける」という道理のことをいい、物事が最高点に到達するとかえって災いを招くという戒めのこと。(1級)

 

英明果敢 えいめいかかん
才知に優れ、道理に明るくしかも思い切りのいいこと。

 

英明闊達 えいめいかったつ
すぐれた才能と知恵を備え持ち、小さなことにこだわらない大らかな性格の人のこと。(1級)

 

英雄欺人 えいゆうぎじん
英雄人を欺く。傑出した能力を持つ人は常人の思いつかない奇抜な計略や行動をとるということ。

 

英雄豪傑 えいゆうごうけつ
才知、武勇ともにすぐれた人の総称。

 

英雄好色 えいゆうこうしょく
英雄色を好む。才知・武勇にすぐれ、常人にできないことを成し遂げるような人は、色事を好むということ。優秀な種を残すためか、ニホンザルもボスの方が精力があるらしく、一般に動物の雄は牝を得るための争奪戦を行うもの。牝も良い種牡を好む。英雄好色なのは人間に限らないかもしれない。むしろ人間の男は、英雄でなくても好色である。

 

栄耀栄華 えいようえいが
富や権勢があってぜいたくを尽くすこと。また、人や家などが華やかに栄えること。また、おごりたかぶること。

 

慧可断臂 えかだんぴ
とても固い決意を示すこと。中国南北朝時代後期の高僧慧可が、河南省嵩山の少林寺にいた達磨に教えを請うために、自分の左腕を切り落として決意を示したという故事から。(1級)

 

益者三楽 えきしゃさんごう
有益な三つの楽しみ。第一に礼楽に親しみ調和の取れた暮らし、第二に人の美点を話題にする、第三に立派な友を多く持つこと。

 

益者三友 えきしゃさんゆう
交際してためになる三種の友人のこと。正しいと思うことを直言する正直な人、誠実な人、博識な人のこと。人と付き合うに当たって、友人をどう選ぶかを述べた語。

 

易姓革命 えきせいかくめい
中国古来の政治思想。天子は天命を受けて天下を治めるが、もしその家姓に不徳の者が出れば、別の有徳者が天命を受けて新しい王朝を開くということ。頻出語。

 

役夫之夢 えきふのゆめ
人生の栄華や栄光は夢のようにはかないということのたとえ。昼間は主人にこき使われている使用人が「夜は夢の中で王になって楽しんでいるから平気だ」と言ったという故事から。

 

駅路鈴声 えきろのれいせい
宿継ぎ馬の鈴の音。

 

回光返照 えこうへんしょう
自分本来の姿を振り返って反省すること。

 

回向発願 えこうほつがん
自分の積んだ徳を他者にも振り向けて、自他ともに極楽往生できるように願うこと。

 

依怙贔屓 えこひいき
自分のお気に入り、特定の者だけに肩入れすること。一方に特に心をかたむけ公平でないこと。(1級)頻出語。

 

会者定離 えしゃじょうり
この世で出会った者には、必ず別れる時がくる運命にあること。この世や人生は無常であることのたとえ。 

 

越権行為 えっけんこうい
与えられた自分に許されている権限を越えた行いのこと。

 

越俎代庖 えっそだいそう
料理人に代わって料理するという出しゃばった行為。自分の分をこえて他人の権限を侵す罪。また他人の仕事を横取りすること。古代中国で尭帝が許由に天下を譲ろうとしたとき、許由は「人は分を守ることが大切で、たとえ料理人が神に供える料理をうまく作らなかったとしても、神主が料理人に代わって料理を作るべきではない」と言って断った故事から。(1級)

 

越爼之罪 えっそのつみ
料理人に代わって料理するという出しゃばった行為。自分の分をこえて他人の権限を侵す罪。また他人の仕事を横取りすること。古代中国で尭帝が許由に天下を譲ろうとしたとき、許由は「人は分を守ることが大切で、たとえ料理人が神に供える料理をうまく作らなかったとしても、神主が料理人に代わって料理を作るべきではない」と言って断った故事から。(1級)

 

越鳥南枝 えっちょうなんし
故郷の忘れがたいことのたとえ。 南方の越の国の鳥は、北国へ渡っても南向きの枝に巣を作るとされたことから。

 

越畔之思 えっぱんのおもい
自分の領分を守り、他者の領域を侵さないように心がけること。畦を越えて他者の田畑に踏みこむことのないように心がけることをいった言葉。

 

越鳧楚乙 えつふそいつ
場所や人が違えば、同じものでも呼び名が違うことのたとえ。空高く飛んでいる鴻(おおとり)を見て、越の国の人は鴨であると言い、楚の国の人は燕であると言ったという故事から。(1級)

 

得手勝手 えてかって
わがままなこと。他人のことは考えず、自分だけに都合のいいように行動すること。 頻出語。

 

烏帽子親 えぼしおや
武家の男子の元服の祝儀で、親に代わって烏帽子をかぶらせ、烏帽子名をつける有力者。

 

宴安鴆毒 えんあんちんどく
遊んで楽しむだけの生活を送ることへの戒め。ただ遊んで楽しむだけの生活を送ることは酖毒を飲むようなもので、最後には身を滅ぼしてしまうという意味から。宴安酖毒とも書く。(1級)


烟雲過眼 えんうんかがん
必要以上に物事に執着しないこと。または、慾がなく、物事にこだわらないことのたとえ。雲や霞、煙などは目の前で留まることがなく、通り過ぎていくという意味から。煙雲過眼とも書く。(1級)

 

蜿蜿長蛇 えんえんちょうだ
行列などが、長いヘビのようにうねりながら一列に続いているさま。蜿蜿は蜿蜒、蜒蜒とも書く。(1級)

 

鴛鴦之契 えんおうのちぎり
夫婦の絆が非常に堅いこと。または、いつまでも夫婦として仲良く暮らすという夫婦の約束のこと。鴛鴦は雄と雌のおしどりのことで、雌雄が常に一緒にいる鳥ということから、夫婦の仲がよいことのたとえ。おしどり夫婦。

 

煙火中人 えんかちゅうのひと
煮たり焼いたりした物を食べる人の意味で、一般世間の人。

 

円滑洒脱 えんかつしゃだつ
問題を起こすことなく、物事を順調に処理すること。(1級)

 

烟霞痼疾 えんかのこしつ
自然を愛でる気持ちが非常に強いこと。または、隠居して自然と親しみながら生活すること。(1級)

 

轅下之駒 えんかのこま
能力が足りないために、仕事を片付けられないこと。または、人から束縛されて、自由にできないこと。まだ力の足りない若い馬を馬車につなぐという意味から。

 

煙霞療法 えんかりょうほう
空気の清浄な所で病気を治療すること。 


燕頷虎頸 えんがんこけい
武勇に秀でた、勇ましい武者の容姿のたとえ。または、遠い国の諸侯となる人の容姿のたとえ。燕のような顎と、虎のように太い首のことで、武勇に秀でた人物の骨相をいう。後漢の班超は筆書の仕事をしていたが、武功を上げたいと占い師に聞くと、遠い地域で諸侯になる人相だと言われ、万里の長城の外で武功を上げ、定遠侯に封じられたという故事から。(1級)

 

燕頷虎頭 えんがんことう
武勇に秀でた、勇ましい武者の容姿のたとえ。または、遠い国の諸侯となる人の容姿のたとえ。燕のような顎と、虎のような頭のことで、武勇に秀でた人物の骨相をいう。後漢の班超は筆書の仕事をしていたが、武功を上げたいと占い師に聞くと、遠い地域で諸侯になる人相だと言われ、万里の長城の外で武功を上げ、定遠侯に封じられたという故事から。(1級)

 

燕雁代飛 えんがんだいひ
燕雁代わって飛ぶ。入れ違いになること。または、互いに隔てられていることのたとえ。燕が南から渡ってくる季節には、雁は北へ渡り、雁が北から渡ってくる季節には、燕は南に渡るために出会うことはないということから。

 

燕頷投筆 えんがんとうひつ
思い切った決意をして志を立てること。または、文章を書く仕事をやめて、武の道に進むこと。後漢の班超が武功を上げたいと思い、筆書の仕事を止めて武将になったという故事から。(1級)

 

延喜之治 えんぎのち
醍醐天皇の時代。延喜はその年号。よく治まったので善政の模範としていう。 

 

婉曲迂遠 えんきょくうえん
直接的に言わないために回りくどいこと。(1級)

 

遠御長駕 えんぎょちょうが
遠方まで馬を走らせること。転じて、遠方までも治め従えること。

 

延頸鶴望 えんけいかくぼう
頸を伸ばして鶴望す。強く待ち焦がれること。鶴の長い首のように、長く首を伸ばして心待ちにするという意味から。

 

延頸挙踵 えんけいきょしょう
頸を延べ踵を挙ぐ。強く待ち焦がれること。または、すぐれた才能を持つ人物が現れるのを心待ちにすること。爪先立ちをしながら、首を長く伸ばして待ち望むということから。(1級)

 

遠交近攻 えんこうきんこう
遠くの国とは親しくして、近くの国を攻める。 戦国時代に范雎が秦の君主に進言した策略で、兵法三十六計の第二十三計にあたる。こうして近くから滅ぼしついには全土を統一した。

 

猿猴取月 えんこうしゅげつ
猿猴月を取る。自身の地位や能力を過信して、欲を出しすぎて身を滅ぼすこと。猿たちが木の枝から次々と尾をつかんでぶら下がって、井戸の中の水に映った月を取ろうとしたが、枝が折れてしまい、猿たちは溺れ死んだという昔話から。(1級)

 

猿猴捉月 えんこうそくげつ
猿猴月を捉う。自身の地位や能力を過信して、欲を出しすぎて身を滅ぼすこと。猿たちが木の枝から次々と尾をつかんでぶら下がって、井戸の中の水に映った月を取ろうとしたが、枝が折れてしまい、猿たちは溺れ死んだという昔話から。

 

円孔方木 えんこうほうぼく
物事が食い違っていて、上手く噛み合わないこと。木を接合するときに、円形の穴に四角形のほぞを入れようとするという意味から。

 

猿号擁柱 えんごうようちゅう
弓の名人の凄腕をいうたとえ。猿が柱を抱いて泣き叫ぶほどの弓の達人。

 

円鑿方枘 えんさくほうぜい (ぜいは環境依存文字で木偏に内。)
円い穴に四角な枘(ほぞ)を入れる意で,物事がうまくかみ合わないたとえ。円孔方木。(1級)

 

遠山之眉 えんざんのまゆ
青くかすむ遠くの山のような眉。美人の眉毛の形容。

 

掩耳盗鐘 えんじとうしょう
耳を掩いて鐘を盗む。浅はかな考えで、自分で自分を欺くことのたとえ。または、自分の良心を騙して、そのことを考えないようにしながら悪事を働くこと。または、隠していた悪事がいつのまにか知れ渡ること。男が大きな鐘を盗んだが、重くて持って帰ることができず、割って小さくして持って帰ろうと槌で打つと大きな音がして、他人に気付かれることを恐れた男は慌てて自分の耳を塞いだという故事から。

 

燕雀鴻鵠 えんじゃくこうこく
大人物の志や考えは、凡人には理解できないたとえ。秦末期の陳勝が若いころ農耕に雇われていたときに、その大志を嘲笑した雇い主に向かって言ったことば「燕雀いずくんぞ鴻鵠の志をしらんや」より。

 

燕雀相賀 えんじゃくそうが
新しい家の完成を祝う言葉。家の軒の下に巣を作る鳥の燕や雀も、家の完成を祝うという意味から。

 

円熟無礙 えんじゅくむげ
人格・知識・技術などが、これ以上ないほどに熟達していること。

 

円首方足 えんしゅほうそく
丸い頭と四角い足。人間のこと。天と頭はどちらも丸く、大地と足はどちらも四角いために、人と天地が似ているものであると、古代中国では考えられていたことから。

 

怨女曠夫 えんじょこうふ
結婚するのにふさわしい年齢や能力はあるが、結婚していない人のこと。または、死別や離別をして伴侶のいない人のこと。怨女は夫のいない女性。曠夫は妻のいない男性。

 

煙塵千里 えんじんせんり
軍隊が進軍して、ちりけむりがもうもうとして、千里も絶え間がないこと。

 

遠水近火 えんすいきんか
遠くにある水では近くの火事を消せない。遠い所にあるものは急場の役には立たないこと。遠くの親戚より近くの他人。

 

円枘方鑿 えんぜいほうさく (ぜいは環境依存文字で木偏に内。)
円い枘(ほぞ)を四角な穴に入れる意で,物事がうまくかみ合わないたとえ。

 

嫣然一笑 えんぜんいっしょう
 にっこりと笑うこと。(見とれるほどあでやかに)。

 

遠走高飛 えんそうこうひ
高飛びする。遠方へ逃げること。苦境を脱して明るい道を求める意味もある。

 

燕巣幕上 えんそうばくじょう
安定せずに非常に危険な状況のたとえ。危険な場所に居住すること。戦場の本営などに張っている幕の上に燕が巣を作るという意味から。

 

円頂黒衣 えんちょうこくい
まるい頭に墨染めの衣。僧侶の姿をさす。

 

怨徹骨髄 えんてつこつずい
怨み骨髄に徹す。人を怨む気持ちが骨髄にまで達するほど強い ということ。

 

塩鉄之利 えんてつのり
政府の専売によっておさめる利益のこと。塩と鉄は専売制度があった。
 
円転滑脱 えんてんかつだつ
言葉や行動が自在で角立たず、物事をすらすら処理していくさま。他人と衝突しないように物事をそつなくこなすさま。

 

宛転蛾眉 えんてんがび
たぐい希な美人の形容。 容貌が美しいさま。「宛転」は三日月の形をした美しい眉。 「蛾眉」とは蛾の触角のように細く美しい眉のことで、美人の特徴の一つ。楊貴妃をたとえた言葉。長恨歌から。

 

鉛刀一割 えんとういっかつ
鉛でできた切れ味の悪い刀でも、一度は物を断ち切ることができる意から、凡庸な人でも時には力を発揮できるときがあるたとえ。多くは自分の微力を謙遜 けんそん していう語。また、一度用いると二度と使えないこえないことから、一度しか使えず二度と役に立たないことのたとえ。

 

円頭方足 えんとうほうそく
丸い頭と四角い足。人間のこと。天と頭はどちらも丸く、大地と足はどちらも四角いために、人と天地が似ているものであると、古代中国では考えられていたことから。

 

円頓止観 えんどんしかん
人として理想の人格が完成された至上の境地のこと。天台宗の修行実践法としての悟りの方法。止観とは、諸々の心の思いを一つの対象に止めてそそぎ、正しい知恵をもって対象を観ることで、仏教全般に通じる根本的な実践行。

 

円融三諦 えんにゅうさんたい
天台宗で、空・仮(け)・中の三諦は独立した真理ではなく、それぞれが他の二諦を含んで三者が相互にとけ合っていること。

 

延年益寿 えんねんえきじゅ
人の寿命を延ばすこと。 また、長寿でめでたいこと。人の長寿を願う言葉としても使う。


延年転寿 えんねんてんじゅ
ますます長生きすること。安楽に長命を保つこと。元は仏教の言葉で、修行や仏の加護を受けることで寿命を延ばすという意味から。長寿を祈り祝う語。

 

淹博精核 えんぱくせいかく
広く行き渡り、詳しく確かなこと。

 

焉馬之誤 えんばのあやまり
文字の写し誤り。「焉」と「馬」の字は似ていて、間違えやすいのでいう。

 

烟波縹渺 えんぱひょうびょう
水面がもやなどでぼやけていて、空と水面の境界がよくわからない風景のこと。 「縹渺」はぼやけていて、はっきりと区別できない様子。「烟」は「煙」、「渺」は「緲」や「眇」とも書く。(1級)

 

鳶飛魚躍 えんぴぎょやく
全ての生き物が生まれた時から持っている性質に従って、その性質を楽しみながら自由に生きること。または、そのような天の摂理のこと。または、よい政治が行われ、世の中が平和なことのたとえ。
鳥の鳶が自由に空を飛びまわり、川の淵で魚が躍るという意味から。

 

猿臂之勢 えんぴのいきおい
進退や攻守を自在に変化させることのできる軍隊の体制のこと。または、遠い場所に陣を張ること。弓を扱うには長いひじのほうが有利ということから、弓の扱いに長けた人のことをいう。また、長いひじを自在に操るということから、進退や攻守を自在に変えることができることをいう。(1級)

 

偃武修文 えんぶしゅうぶん
世が平和で穏やかなこと。戦いをやめ、文教によって平穏な世の中を築くこと。(1級)

 

閻浮檀金 えんぶだごん・えんぶだんごん
質の良い金のこと。 は仏教で須弥山のまわりにある四大陸の一つで、南にある大陸の閻浮提の大木の下にある金塊のことや、その近くにある川の砂金ということから。(1級)

 

厭聞飫聴 えんぶんよちょう・えんぶんよてい
何度も聞きすぎて飽きること。耳にたこができる。(1級)

 

婉娩聴従 えんべんちょうじゅう
言葉や態度がしとやかでやさしく、長上の人に逆らわず従うこと。「婉娩」はしとやかで素直なさま。「聴従」は人の言うことに素直に従うこと。「娩」は「ばん」とも読む。(1級)

 

遠謀深慮 えんぼうしんりょ
深く考えをめぐらせて、遠い先の未来のことを見通して、手抜かりのない計画を立てること。または、その計画そのもののこと。

 

縁木求魚 えんぼくきゅうぎょ
木に縁りて魚を求む。木によじ登って魚を求めようとする意味から、目的に合った方法を採らないこと、方法を誤ると成功する見込みがないことのたとえ。

 

円木警枕 えんぼくけいちん
苦労して懸命に勉学に励むたとえ。また、物事に精励して寝る間も惜しむこと。眠り込んでしまわないように、すぐ転んで目が覚めるようにした丸木の枕の意から。

 

円満解決 えんまんかいけつ
当事者の誰にも不満がなく、互いに納得できて、物事がうまく穏やかに解決すること。
 
円満具足 えんまんぐそく
充分に満ち足りて不足のないこと。人がらに欠点がなく温厚(おんこう)なようす。

 

衍曼流爛 えんまんりゅうらん
はびこり広がること。多く悪などがはびこることにいう。(1級)

 

延命息災 えんめいそくさい・えんみょうそくさい
無事に長生きをすること。何事もなく長生きすることを願い祈る語。

 

鳶目兔耳 えんもくとじ
よく見える目と、よく聞こえる耳。それを備えたジャーナリストなどをいう語。

 

轅門二竜 えんもんにりょう
唐の武将烏承玭と烏承恩を指す言葉。二人は沈着で勇気に富み、かつ決断力があったので、戦場で大活躍してこのように評された。 「轅門」は、昔、中国で、戦陣で車の轅(ながえ)を向かい合わせて門にしたことから、陣屋の門。軍門。(1級)

 

円融滑脱 えんゆうかつだつ
何事も思うままで、角立たないこと。物事にこだわらず、そつなくこなすようす。

 

円融三諦 えんゆうさんたい
天台宗において空,仮,中の三諦は働きに応じて三諦の区別はあるが,その本体は一つで三者が互いに円満し合い融通し合って一諦がそのままただちに他の二諦であるという意味。

 

厭離穢土 えんりえど・おんりえど
苦悩の多い穢れたこの世を厭い、離れたい(すなわち往生したい)と願うこと。欣求浄土に続けると徳川家康の旗印となる。"おんりえど"という読みが一般的であるが、"えんりえど"が正しいとする辞書も少なくない。(1級)

 

延陵季子 えんりょうのきし
春秋時代の呉王寿夢の末子、季札きさつのこと。清廉賢哲を以って知られていた。延陵の地に封ぜられ見事に治めた。聖人季札の名声は諸国に広まり、後に呉の使者として諸国を巡った。

 

遠慮会釈 えんりょえしゃく
つつましく控え目にして、他人のことを思いやること。多くは「遠慮会釈もない」と否定表現で用い、相手の意向を考えないで強引に事を進めるようす、得手勝手なさまを言う。

 

遠慮近憂 えんりょきんゆう
先のことまでよく考えて行動しないと、必ず急な心配事が起こって苦しむことになる。

 

円顱方址 えんろほうし
人間のこと。円顱は丸い頭、方趾は四角い足。 天と頭はどちらも丸く、大地と足はどちらも四角いために、人と天地が似ているものであると、古代中国では考えられていたことから。(1級)