四字熟語


有為転変 ういてんぺん
世の中のすべてのものが絶えず変化して、しばらくの間も同じ状態にとどまることがないこと。頻出語。

 

有為無常 ういむじょう
この世の全ての現象や存在は常に移り変わり、はかないものということ。

 

烏焉魯魚 うえんろぎょ
文字の書き誤り。文字の造形が似ていて書き誤ること。「烏」と「焉」、「魯」と「魚」がそれぞれ字形が似ていて、誤りやすいことからいう。(1級)

 

右往左往 うおうさおう
あわてふためいて、あっちへ行ったり、こっちへ来たりすること。あわてて混乱した状態をいう。周章狼狽。頻出語。

 

如魚得水 うおのみずをえたるがごとし

水を得た魚のように、自分がかねて考えていた理想の人に会う、またふさわしい環境を得て、思うようにはつらつと活躍すること。

 

魚游釜中 うおふちゅうにおよぐ
最悪の事態も分からないでいること。

 

烏獲之力 うかくのちから
大力をいう。烏獲は秦の武王に仕えた勇士の名で、よく千鈞の重さを持ち上げたという。

 

羽翮飛肉 うかくひにく (かくは環境依存文字で鬲羽。)
軽い羽でもそれが集まれば、重い肉を空に浮かべて飛ばすことができるという意味から、『軽くて弱いもの』でも沢山集まれば大きな力を発揮することができるということ。(1級)

 

雨過天晴 うかてんせい
うっとうしい雨が止んで青空が広がる。悪い状況が好転するたとえ。

 

羽化登仙 うかとうせん
中国古来の神仙思想などで、人間に羽が生えて仙人になり天に昇ること。転じて、酒に酔って天にも昇るような気分になること。頻出語。

 

浮草稼業 うきぐさかぎょう
一つの場所に落ち着かず,浮き草のように,転々と各地を渡り歩く職業。また,その人。

 

雨奇晴好 うきせいこう
晴れても雨でも、どちらも素晴らしい景色で、趣があるという意。晴好雨奇。

 

有卦七年 うけしちねん
幸運の年まわり。有卦に入ること。ついていて調子のいいたとえ。

 

于公高門 うこうこうもん
人知れず善行を積んだ家の子孫は繁栄することのたとえ。于公は裁判官として公平に裁判を処理して、ひそかに善行を積んでいた。彼の住む村の門を修理するときに、人知れず善行を積む家の子孫は出世して繁栄するだろうと、門を広大に作った故事から。(1級)

 

禹行舜趨 うこうしゅんすう
うわべをまねるだけで実質が伴っていないたとえ。聖天子とされる禹や舜の表面上の行動だけをまねして、実質的な聖人の徳を備えていないこと。禹のように歩き舜のように走って、聖人をまねるだけで実質がない意から。(1級)

 

烏合之衆 うごうのしゅう
からすの群れは無秩序でただ集まっているだけということから、規律も統制も何も無く寄せ集めの集団や軍隊のたとえ。

 

右顧左眄 うこさべん
右か左か決めかねて迷うように、人の思惑などまわりのことばかり気にして決断をためらうこと。左眄右顧 さべんうこ。首鼠両端。(1級)頻出語。

 

雨後春筍 うごしゅんじゅん
ひと雨降った後に沢山生え出るタケノコのように数が多いこと。事物が増えるのが速くて勢いが盛んなたとえ。雨後のタケノコ。

 

有財餓鬼 うざいがき
欲深く異常なほど金銭に執着する人のこと。「餓鬼」は仏教で餓鬼道に落ちて常に飢えに苦しむ亡者のこと。

 

雨絲煙柳 うしえんりゅう
しとしとと降り続く春雨に、柳も煙って見える。春の風情を語った成句。

 

雨絲風片 うしふうへん
糸のように細かな春の雨にかすかな風がふく風景は,まるで秋の終わりのようであるということ。

 

烏集之交 うしゅうのまじわり
烏は疑り深く利己的な鳥とされていることから、お互いに自分の利益のみを考え、誠意のない交流や集まりのこと。

 

有情世間 うじょうせけん
意志や感情を持った生き物のことで、人間や動物のこと。または、それらが存在する世界のこと。

 

有情非情 うじょうひじょう
人間や動物、植物に加えて、命を持たない石や水などを含めた世界に存在する全てのもののこと。

 

有相執著 うそうしゅうじゃく
形ある現象の姿にとらわれる心。それらが一切皆空であることを悟らないで執着心を起こすこと。

 

有象無象 うぞうむぞう
数ばかり多くて役に立たない物や人々をさげすむ言葉。頻出語。

 

迂疎空闊 うそくうかつ
回りくどくて実際には役に立たないこと。または、世間の事柄についての知識や理解が不十分で役に立たないこと。(1級)

 

烏孫公主 うそんこうしゅ
政略結婚の犠牲、またそれによって悲運に泣く女のこと。前漢武帝のとき、烏孫王昆莫に嫁いだ公主。江都王劉建の娘。名は細君。前105年武帝によって烏孫王昆莫に嫁がせられ、昆莫の死後は王位を継いだ孫の岑陬の妻となった。なお細君が死ぬと、楚王劉茂の娘解憂が岑陬のもとへ送られた。匈奴牽制のための政略結婚の犠牲となった女性として有名。「吾が家 我を嫁がす 天の一方,遠く異國に託す 烏孫王 …」(烏孫公主 劉細君 悲愁歌 冒頭)。

 

有智高才 うちこうざい
生まれつき頭の働きがよく、学習によって得た才能も優秀なさま。またその人。

 

内股膏薬 うちまたごうやく
自分の考えがはっきりせず、どっちつかずの人のこと。あっちにペタリこっちにペタリ。節操のないこと。しっかりした意見がなくその時の気持ちで動くこと。また、そのような人をあざけっていう語。膏薬は内股に張ると、歩くたびに右足についたり、左足についたりすることから。

 

烏鳥私情 うちょうしじょう
親孝行をしたいという気持ちをへりくだっていう言葉。烏は成鳥となってから、母烏に口移しで食べさせるといわれることから。

 

有頂天外 うちょうてんがい
このうえなく大喜びすること。また、たいそう喜んで夢中になり、我を忘れる様子。世界の絶頂に位置する有頂天よりさらに高く外に出る意。「有頂天」をさらに強めた語。

 

迂直之計 うちょくのけい
実際的でないように見えて、実は最も現実的で効果のある計略のこと。わざと迂回して敵を安心させ、妨害のないのに乗じ先に到着するような兵法。

 

鬱鬱怱怱 うつうつそうそう
草木がこんもりと茂っている様子。または、生気が満ちている様子のこと。(1級)

 

鬱鬱勃勃 うつうつぼつぼつ
生気が満ちる様子のこと。鬱鬱は植物が活発に茂ること。勃勃は盛んに湧き上がること。(1級)

 

鬱肉漏脯 うつにくろうほ
腐って臭い肉のこと。または、先のことは考えずにその場をやり過ごすこと。空腹を満たすために腐った肉を食べるという意味から。 (1級)

 

鬱塁神荼 うつるいしんと
門を守る神の名前。「欝塁うつりつorうつるい」と「神茶しんとorしんだorしんじょ」は門を守る神の兄弟の名前。百鬼を支配して、従わないものを虎に食べさせたとされる門の守り神。古代中国ではこの二神(欝塁と神茶)と虎の絵を門に貼って魔よけにしていた。(1級)

 

禹湯文武 うとうぶんぶ
夏、殷、周の三代の王朝の始祖とされる人物の名前。禹は夏王朝の禹王。湯は殷王朝の湯王。文と武は周王朝の文王と武王。どの人物も古代中国の聖天子とされている。(1級)

 

烏兎匆匆 うとそうそう
月日が流れるのは早いということ。太陽には烏が、月には兎が住んでいるという古代中国の伝説から、「烏兎」は月日のこと。(1級)

 

鵜目鷹目 うのめたかのめ
鵜が魚をあさり、鷹が獲物をさがすように、人が熱心に物を探し出そうとするさま。

 

烏白馬角 うはくばかく
カラスが白くなり、馬に角が生じるというような、全くありえないこと。

 

烏飛兔走 うひとそう
歳月がたつのが、あわただしく速いこと。太陽には烏が、月には兎が住んでいるという古代中国の伝説から烏は日、兎は月を表す。兔走烏飛。

 

嫗伏孕鬻 うふうよういく
鳥や獣が子を産んで育てること。「嫗伏」は鳥が翼で卵を覆って温めること。 「孕鬻」は獣が子を産んで育てること。(1級)

 

孟方水方 うほうすいほう
上に立つ人の行いを下の人もまねることのたとえ。

 

禹歩舜趨 うほしゅんすう
うわべをまねるだけで実質が伴っていないたとえ。聖天子とされる禹や舜の表面上の行動だけをまねして、実質的な聖人の徳を備えていないこと。禹のように歩き舜のように走って、聖人をまねるだけで実質がない意から。(1級)

 

海千山千 うみせんやません
海に千年、山に千年住んでいたかのような一筋縄ではいかない経験豊富でしたたかなやりかた。またそのような人をさす。

 

有無相生 うむそうせい
有と無は、有があってこそ無があり、無があってこそ有があるという相対的な関係で存在すること。また、この世のものはすべて相対的な関係にあること。

 

梅木分限 うめのきぶげん
梅ノ木は成長が早いが大木にならないことから、成り上がりの金持ち。にわか長者のことをいう。

 

有耶無耶 うやむや
あるのかないのかはっきりしないこと。いいかげんなこと。曖昧模糊。不得要領。

 

紆余委蛇 うよいだ
山や林などがうねうねと曲がり、どこまでも連なっている様子。(1級)

 

紆余曲折 うよきょくせつ
経てきた事情などが、ひとことで言えないほど曲がりくねっていて複雑で厄介なこと。(1級)

 

羽翼既成 うよくきせい
物事の組織や基礎ができあがり、いまさら動かしようのないさまをいう。羽翼は鳥の羽と翼で、これが揃えば幼い鳥も飛翔できる。転じて、主君の補佐役、組織の体制。漢の高祖劉邦は、正妻の子を廃して愛妾の子を太子に立てようとしたが、賢臣たちの補佐がしっかりしていて、代えることをあきらめたときの言葉。「羽翼既に成る、動かし難し」。
 
盂蘭盆会 うらぼんえ(1級)
陰暦の七月十五日に祖先の霊をまつる行事。盆や精霊会ともいう。現在は八月十五日に行うことが多い。

 

雨笠煙蓑 うりゅうえんさ
煙雨を帯びた笠とみの。漁父などの形容。

 

雨霖鈴曲 うりんれいきょく
唐の玄宗が楊貴妃の死を悼み悲しんで作った楽曲の名前。雨と馬につけている鈴の音が調和しているのを聞いて作ったという故事から。(1級)

 

雨露霜雪 うろそうせつ
さまざまな気象の変化のこと。また、人生のさまざまな困難のたとえ。

 

烏鷺之争 うろのあらそい
囲碁の対局のこと。カラスは黒色の鳥、サギは白色の鳥であることから、黒と白の碁石をカラスとサギにたとえた言葉。

 

有漏無漏 うろむろ
煩悩のある者と無い者のこと。仏教の言葉。

 

雲雨巫山 うんうふざん
男女の交わり、情交のたとえ。中国の戦国時代の楚の懐王が昼寝をした際、夢の中で巫山の女神と情交を結んだ。別れ際に女神が「朝には雲となって、夕方には雨となってここに参ります」と言ったという故事から。(1級)

 

雲烟過眼 うんえんかがん
雲や霞がたちまち目の前を通り過ぎるように、その場限りで、心にとめないこと。また、わだかまりや悩みが消え、さっぱりした気持ちになること。(1級)

 

雲烟万里 うんえんばんり(1級)
非常に距離が離れていることのたとえ。または、非常に遠くまで薄く長く伸びている雲や霞のこと。雲や霞が一万里もの距離に渡って続くという意味から。

 

雲烟飛動 うんえんひどう
雲やかすみが飛動するように筆勢が躍動する文字のたとえ。書道でいう「草書」の自由自在な筆の運びにたとえる。(1級)


雲烟縹渺 うんえんひょうびょう
非常に遠くまで薄く長く伸びている雲や霞の様子。(1級)

 

雲烟変態 うんえんへんたい
雲やかすみが千変万化して趣をなすこと。

 

雲烟模糊 うんえんもこ
雲やかすみ・もやがたちこめて、はっきりしないようす。

 

雲外蒼天 うんがいそうてん
困難を乗り越え、努力して克服すれば快い青空が望めるという意味。

 

雲霞之交 うんかのこう・うんかのまじわり
一般的な関係を超越した交友関係のこと。雲と霞がたなびいている場所という意味から、仙人などの俗世を超越したものが住むとされている場所のこと。俗世を超越したもの同士の交友関係という意味から。

 

運斤成風 うんきんせいふう
大工の凄腕、非常に巧みですばらしい技術。転じて、見事な工作。大工が風を起こすほどの勢いで手斧を振るって、傷一つつけずに鼻の先に塗った白土を落としたという故事から。

 

雲行雨施 うんこううし
雲が空に流れ動いて雨が降り、万物をうるおして恩恵を施すこと。天子の恩恵が広く行き渡るたとえ。天下が太平であることのたとえ。

 

雲合霧集 うんごうむしゅう
たくさんのものが、一時的に集まること。雲や霧が集まってわくという意味から。

 

雲散鳥没 うんさんちょうぼつ
そこに存在していた痕跡すら完全に消え去ってしまうこと。雲が散るように、鳥が消え去るように完全に消え去るという意味から。

 

雲散霧消 うんさんむしょう
雲や霧が消え失せるように、わだかまっていた物事や悩みが一時にさっぱりと消えてなくなること。頻出語。

 

雲集霧散 うんしゅうむさん
人々が集合と解散を繰り返すことをいう。集い別れる。

 

雲壌月鼈 うんじょうげつべつ
雲と大地、月とすっぽん。大きく相違していることのたとえ。

 

雲壌懸隔 うんじょうけんかく
雲と大地のように、大きくかけ離れていること。

 

雲消霧散 うんしょうむさん
雲や霧が消えるように、そこにあった形跡すらも消えてなくなること。

 

雲蒸竜変 うんじょうりゅうへん・うんじょうりょうへん
雲がわきあがり、龍がそれに乗って不思議な働きをする。英雄・豪傑が機会を得て世に出て、変幻自在に活躍するたとえ。

 

雲心月性 うんしんげっせい
無私無欲の例え。物にとらわれない雲のような心と、澄みきった月のような本性。名誉や利益を求めることなく超然としていること。

 

雲水行脚 うんすいあんぎゃ
僧侶が様々な国を巡り歩きながら、仏教の修行すること。

 

雲水飛動 うんすいひどう
雲が飛び水が奔り流れる筆の勢を描写した山水画のすばらしいさを称賛したことば。

 

雲水不住 うんすいふじゅう
雲や水のように、一か所に住みとどまらないこと。 

 

雲中白鶴 うんちゅうのはっかく
世俗を超越した、心の清らかな人のたとえ。白い雲の中にいる白い鶴のことで、心が清らかで、気高く立派な人物をたとえた言葉。

 

雲泥之差 うんでいのさ
天と地が遠く隔たっているほどに、二つのものの差が大きいこと。極端に違うもののたとえ。

 

雲泥万里 うんでいばんり
天と地が遠く隔たっているほどに、二つのものの差が大きいこと。極端に違うもののたとえ。

 

雲濤煙浪 うんとうえんろう
遠く水平線で連なって見える雲と波。海が大きく広いことを言い表す言葉。

 

運否天賦 うんぷてんぷ
人の運不運は天のなすところであるの意。運を天にまかせること。

 

雲翻雨覆 うんぽんうふく
人の心や、世間の人々の考えは変わりやすいことのたとえ。「翻」は手のひらを上に向けること。「覆」は手のひらを下に向けること。手のひらを上に向ければ雲が発生して、手のひらを返せば雨に変わるということから、ほんの少しの時間で状況が全く別のものになるということ。雲飜雨覆とも書く。

 

雲遊萍寄  うんゆうへいき・うんゆうひょうき
物事に執着せずに、自然にまかせて行動すること。または、修行しながら様々な国を巡る僧侶のこと。雲のように留まることなく、浮き草のように水の流れに身を任せるという意味から。(1級)

 

雲容烟態 うんようえんたい
雲や霞などの空の様子が様々に変化する様子。(1級)

 

雲竜井蛙 うんりゅうせいあ
地位や賢愚などの差が非常に大きいことのたとえ。雲翔かける竜と井戸のかえるの意から。

 

雲竜風虎 うんりゅうふうこ
雲は龍に従い、風は虎に従う。竜のいるところに雲が沸き起こり、虎のいるところに風が吹きすさぶという意味で、 同類相呼ぶこと。