塞翁失馬 さいおうしつば
人の幸と不幸はその時々で変わるので幸不幸は予測できないという意味。
塞翁之馬 さいおうのうま
人の幸と不幸はその時々で変わるので幸不幸は予測できないという意味。昔、中国北方の塞(とりで)近くに住む占いの巧みな老人(塞翁)の馬が、胡の地方に逃げ、人々が気の毒がると、老人は「そのうちに福が来る」と言った。やがて、その馬は胡の駿馬を連れて戻ってきた。人々が祝うと、今度は「これは不幸の元になるだろう」と言った。すると胡の馬に乗った老人の息子は、落馬して足の骨を折ってしまった。人々がそれを見舞うと、老人は「これが幸福の基になるだろう」と言った。
一年後、胡軍が攻め込んできて戦争となり若者たちはほとんどが戦死した。しかし足を折った老人の息子は、兵役を免れたため、戦死しなくて済んだという説話に基づく。
斎戒沐浴 さいかいもくよく
神仏へのお祈りや神聖な儀式の前に飲食や行動を慎み、水で髪や体を洗い心身を清めること。(1級)頻出語。
採菓汲水 さいかきっすい
厳しい仏道修行のたとえ。 仏に供えるため、木の実を採り、花を摘み、水を汲くむ意から。
才学博通 さいがくはくつう
学問に広く通じていること。
才学非凡 さいがくひぼん
学問において人並み優れた力を持っていること。
際可之仕 さいかのつかえ
先方が礼をもって待遇するので仕えること。
歳寒三友 さいかん(の) さんゆう
冬の寒い季節に友とすべき三つのもの。松・竹・梅。また、梅・水仙・竹。多く画題となっている。また、乱世に友とすべき山水・松竹・琴酒をいうこともある。
歳寒松柏 さいかん(の)しょうはく
すぐれた人物が逆境にあっても節操や志を変えないたとえ。その厳しい季節にも緑を保っている松や柏かしわの意から。また艱難にあってはじめて、節操のある人か否か、人の真価がわかることをいう。
才気煥発 さいきかんぱつ
機転が利き、才能があふれていること。すぐれた才能が輝くように自然に外にあふれ出ること。(1級)頻出語。
猜忌邪曲 さいきじゃきょく
他人をねたみそねむ、よこしまで曲がった考え。
再起不能 さいきふのう
再び力を得て活動を始めることができない状態。
才芸器量 さいげいきりょう
人間の才知や度量。
歳月不待 さいげつふたい
歳月人を待たず。今という時間を大切にして、日々努力しなければならないということ。時の流れは待ってはくれない。
罪業消滅 ざいごうしょうめつ
現世での罪深い悪い行為も、仏道修行をすることで、消し去ることができるということ。
最後通牒 さいごつうちょう
外交文書の一つで、国際交渉において最終的な要求を文書で提示することで交渉の終わりを示唆し、それを相手国が受け入れなければ交渉を打ち切る意思を表明すること。断交そして紛争状態になる寸前の文書。
在在所所 ざいざいしょしょ
そこかしこ。あちらこちら。また、至るところ。津津浦浦。
歳歳年年 さいさいねんねん
毎年毎年、年年歳歳。
灑灑落落 さいさいらくらく
性格や言動がさっぱりしていて、物事にこだわらないさま。洒洒落落。(1級)
再三再四 さいさんさいし
二度も三度も四度も。繰り返し何度も。たびたび。
才子佳人 さいしかじん
才知のすぐれた男子と、美人の誉れ高い女子。理想的な男女のこと。
在邇求遠 ざいじきゅうえん
人としての正しい道は自分自身の中に求めるべきなのに、とかく人は遠いところにそれを求めようとするということ。 (1級)
妻子眷族 さいしけんぞく
妻と子、家族と血縁関係にある親族のこと。(1級)
再思三考 さいしさんこう
何回も考え直すこと。考えに考えを重ねて熟慮すること。
再思三省 さいしさんせい
何度も考え直し、何度も反省をする。過去の行いを省みて、失敗のないように心がけること。
才子多病 さいしたびょう
才知にすぐれた人は、とかくからだが弱く病気がちであるということ。
再従兄弟 さいじゅうけいてい
またいとこ。祖父母の兄弟の孫。日本では従兄弟同士の子。父母の兄弟姉妹の孫。
犀舟勁檝 さいしゅうけいしゅう (しゅうは環境依存文字で木偏に口耳戈。)
堅牢な舟と強い櫂。丈夫で速い船。(1級)
載舟覆舟 さいしゅうふくしゅう
君主は人民によって支えられ、また、人民によって滅ぼされること。君主は人民を愛し、政治に安んじさせることが必要であるということをいう。また、人は味方して盛り立ててくれることもあれば、敵となってつぶしにかかることもあるということ。
妻妾之奉 さいしょうのほう
妻妾を養うに十分な費用。
最上無二 さいじょうむに
この世に二つとなく、最もすばらしいこと。
才色兼備 さいしょくけんび
すぐれた才能と美しい容姿の両方をもっていること。多くは女性についていう。頻出語。
采色不定 さいしょくふてい
喜びや怒りが常なく、定まらない。
妻子離散 さいしりさん
家族が離れ離れになること。
採薪汲水 さいしんきゅうすい
たきぎを採り、水を汲む日常生活のこと。 (転じて)自然の中で質素に暮らすこと。 世捨て人の生活。
採薪之憂 さいしんのうれい
病気を患っていることを相手にへりくだっていう言葉。病気で、薪(たきぎ)を採りにいくことすらできないという意味から。
祭政一致 さいせいいっち
祭祀の主宰者と政治上の権力者が同一であること。また、そのような思想および政治形態。古代国家などに多くみられる。
再生之恩 さいせいのおん
一度死んだのを生き返らせてもらった恩。衰えたものを再興してくれた恩。
再生父母 さいせいのふぼ
蘇らせてくれる父母のようにありがたい人。元の烏古孫沢の仁徳を称えて呼んだ言葉。自分の父母の生まれ変わり。
載籍浩瀚 さいせきこうかん
書物が非常に大部なこと。また、書物の数がきわめて多いこと。(1級)
灑掃応対 さいそうおうたい
日常の生活に求められる仕事や作法のこと。水撒き、箒がけ、あいさつ. は、君子になるための基礎的な素養。
洒掃薪水 さいそうしんすい
掃除や炊事をすること。日常の家事。
再造之恩 さいぞうのおん
一度死んだのを生き返らせてもらった恩。衰えたものを再興してくれた恩。
財多命殆 ざいためいたい
財産がたくさんあると、盗賊に狙われて、生命が危険にさらされること。
裁断批評 さいだんひひょう
特定の価値観など一定の基準に照らしてなされる芸術作品などの批評。古典主義時代以前の欧州で主流だった方法。
採長補短 さいちょうほたん
他人のよいところを取り入れて、自分の短所や足りないところを補うこと。また、物事のすぐれたところや余ったところから取り入れて、不備なところや足りないところを補うこと。
采椽不斫 さいてんふたく (たくは環境依存文字で石偏に斤。)
宮殿、また住居などの質素なさまをいう。(1級)
災難即滅 さいなんそくめつ
わざわいが直ちに消え失せること。
才弁縦横 さいべんじゅうおう
すぐれた才知や弁舌を、思いのままに巧みに操ることができること。
西方浄土 さいほうじょうど
阿弥陀如来を教主とする西方の浄土。人間界から西方に十万億の仏土を隔てた所にあるという。極楽浄土。西方極楽。西方世界。
彩鳳随鴉 さいほうずいあ
才智、家柄等が自分より劣る人に嫁がされること。その不満。美女がつまらない男と結婚すること。転じて妻が夫につれなくすること。(1級)
菜圃麦隴 さいほばくろう
水をたたえずに、野菜や穀類を栽培する農耕地、すなわち畑のこと。
妻離子散 さいりしさん
家族が離れ離れになること。
細柳新蒲 さいりゅうしんぽ
春のはじめの細い柳や新しいがま。
在留邦人 ざいりゅうほうじん
海外に一時的に家を持ち居住している日本人のこと。
豺狼当路 さいろうとうろ
暴虐非道で邪悪な人間が国家の枢要な地位にあり、思いのまま権力を操っていること。(1級)
左往右往 さおううおう
多くの人が慌てふためいて、右へ行ったり、左に行ったりして混乱する様子。
坐臥行歩 ざがこうほ
日常的に行う動作の体の動かし方のこと。
鑿歯尺牘 さくしせきとく
晋の名文家の習鑿歯のように手紙で議論するのにすぐれていること。(1級)
作史三長 さくしのさんちょう
歴史家が歴史書を著作・編集するのに必要な三つの能力。才知・学問・識見をいう。
鑿窓啓牖 さくそうけいゆう (ゆうは環境依存文字で片戸甫。)
一つの見解にとらわれず、さまざまな考え方を学び、見識を広めること。(1級)
削足適履 さくそくてきり
本末を取り違えて、無理に物事を行うたとえ。折り合いをつけて、無理に合わせるたとえ。また、目先のことにとらわれて、根本を考えないたとえ。靴が小さいから足を削り落として合わせる意から。
昨非今是 さくひこんぜ
今、昨日までの過ちに気づくこと。今までの過ちを悟って悔いる語。今日は正しくて昨日までは誤っている意から。
作文三上 さくぶんさんじょう
文章を作る工夫をするのに、適した三つの場所。馬上(馬に乗っているとき)・枕上 (ちんじょう.寝床に入っているとき)・厠上(しじょう.便所にいるとき)をいう。宋の欧陽脩の語。
鑿壁偸光 さくへきとうこう
壁に穴を開け、隣家の灯火を盗んで勉学に励むということから苦学することのたとえ。(1級)
左建外易 さけんがいえき
自分の権力や繁栄のために手段を選ばず、好き勝手にすること。不正などを行い、自らの勢力を伸ばすこと。
左顧右視 さこうし
むやみに左右を見渡すこと。ぐずぐずしているようすのたとえ。
左顧右眄 さこうべん
右を見たり左を見たりしてなかなか決心のつかないこと。右顧左眄。
瑣砕細膩 ささいさいじ
情のこまやかなこと。こまやかな心遣い。(1級)
坐作進退 ざさしんたい
日常生活で行う動作の体の動かし方。立ち居振る舞い。
左思右考 さしうこう
あれこれと考えること。
左思右想 さしうそう
あれこれと考えること。
左支右吾 さしゆうご
いろいろ手を尽くして難を避けること。左を支え、右を防ぎとどめる意から。
砂上楼閣 さじょうのろうかく
見かけはりっぱであるが、基礎がしっかりしていないために長く維持できない物事のたとえ。また、実現不可能なこと。
坐薪懸胆 ざしんけんたん
たきぎの上に坐り、苦いきもを寝床の上に懸けて 寝起きのたびになめることから、 転じて、復讐するため、 自分の身を苦しめてその志が衰えないように励ますこと。 また、目的を遂げるために苦労に耐えること。臥薪嘗胆。
左戚右賢 させきゆうけん
近親者を低い地位に置き、賢者を高い地位に置くこと。漢の時代の言葉。中国では王朝・時代で左右の上下が違う。戦国・秦・漢・元は右を、周・六朝・隋・唐・宋・明・清は左を尊んだ。唐に学んだ日本は左大臣など左が上。左遷は左戚右賢と同じ漢時代の言葉。
蹉跎歳月 さたさいげつ (たは環境依存文字で足它。)
これということもせず、時間を無駄にして、いたずらに時間を過ごすこと。(1級)
沙中偶語 さちゅう(の)ぐうご
臣下が謀反を企てる談合をすること。人気のない砂地に集まり、額を突き合わせて相談する意から。
察言観色 さつげんかんしき
人の言葉をよく察し、顔つきをよく観察してあざむかれず、人の性質や考え方を見抜くこと。また、人の言葉をよく聞き分け、人の顔色を見抜く聡明さをいう。
殺傷過当 さっしょうかとう
敵を殺した数の方が見方の殺傷された数よりもずっと多いこと。
殺生之柄 さっせいのへい
殺しまた生かす権利。生殺の権利。
雑然紛然 ざつぜんふんぜん
いろいろ入り混じってごたごたとしていること。
殺伐激越 さつばつげきえつ
楽音などが荒々しく激しいこと。
左文右武 さぶんゆうぶ
文武の両道を兼備すること。学問と武芸の両面を重んじること。
左眄右顧 さべんうこ
左を見たり右を見たりして、周りの様子を窺うだけですぐに結論を出すことができないこと。
佐命立功 さめいりっこう
君主を補佐して功績をあげること。
左右親近 さゆうしんきん
お側の家来。側近。
座右之銘 ざゆうのめい
常に自分の中に留めて、戒めとする格言、名言、諺などのこと。
嗟来之食 さらいのし
人をいやしんで、来て食べろと与える飲食物。
沙羅双樹 さらそうじゅ
沙羅の木二本。釈迦が八十歳で入滅したときに、釈迦の寝床の四方に二本ずつあった常緑樹である沙羅の木が、釈迦の入滅を悲しんで、一本ずつ枯れたとも、全ての木が白くなって枯れたとも言われている伝説のこと。
三衣一鉢 さんいいっぱつ
僧侶が持ち歩く僅かな持ち物。「三衣」は三種の衣、王宮に行く時、講義を聴く時、作業等で日常着る時に衣を替えた。「一鉢」は食器。それだけあればとりあえず足りるとした。「衣」はネとも読む。
三陰三陽 さんいんさんよう
身体にあるものの「大陰」「小陰」「厥陰」と「大陽」「小陽」「陽明」の三陽をいう。
桟雲峡雨 さんうんきょうう
山中のかけ橋のあたりに漂う雲と、谷あいに降る雨。
三益之友 さんえきのゆう
交わって利益となる三種類の友人。①正直な友②誠実な友③多聞な友。
三王之佐 さんおうのさ
夏・殷・周の三王を助けるほどの賢人。
三界一心 さんがいいっしん
三界は心をもつものの存在する欲界・色界・無色界の三つの世界。仏以外の全世界。三界は全て心に映る現象で、人間の心の中以外に三界は無いということ。
三槐九棘 さんかいきゅうきょく
政界の最高幹部のこと。三公九卿。中国の周の時代に、君主が朝廷の庭の三公の位置を示す場所に槐の木を植え、九卿の場所を示す場所に棘の木を植えていたということから。(1級)
三階九級 さんがいくきゅう
奈良時代以後に制定された僧官。僧正・僧都・律師の三階を、さらに大僧正・僧正・権僧正、大僧都・権大僧都・少僧都・権少僧都、律師・権律師の九つに分けたもの。
三界乞食 さんがいこつじき
他人の助けなしには、この世界のどこにも食が得られないこと。
三界火宅 さんがい(の)かたく
三界は安きこと無しなお火宅の如し、の略。私たちの迷いの人生(三界)には不安が満ち満ちており、安らぎは見出しがたい。それはちょうど激しい炎に包まれ、燃えさかる家のように、はなはだもろく危険な場所であるということ。
山海珍味 さんかいのちんみ
山と海で採れた物から作られた、珍しい味のする食べ物。または、非常に豪華な料理のこと。
三界無安 さんがいむあん
三界は安きこと無しなお火宅の如し、の略。私たちの迷いの人生(三界)には不安が満ち満ちており、安らぎは見出しがたい。それはちょうど激しい炎に包まれ、燃えさかる家のように、はなはだもろく危険な場所であるということ。
三界無宿 さんがいむしゅく
この世界のどこにも住む家がないこと。
三界流転 さんがいるてん
全ての生きているものは、欲界・色界・無色界で生死を繰り返し続け、その三つの世界を迷い続けるということ。
山河襟帯 さんがきんたい
自然の要害の堅固なことのたとえ。山が襟 のように取り囲み、川が帯のように巡り流れる意から。
三角関係 さんかくかんけい
三者の間の関係。特に、三人の男女間の複雑な恋愛関係。
三革五刃 さんかくごじん
甲・兜・盾(三革)と刀・剣・矛・戟・矢(五刃)のこと。
山岳重畳 さんがくちょうじょう
山々が幾重にも連なっていること。
三月庭訓 さんがつていきん
勉学などの飽きやすいことのたとえ。寺子屋で習字や読本として使用された初級の教科書の一つである「庭訓往来」の、一二か月の往復書状を手本にして手習いを始めた者が,三月のあたりでやめてしまうこと。学習の長続きしないことにいう。
山河之固 さんがのかため
山河の要害が堅固なこと。
三寒四温 さんかんしおん
冬季に寒い日が三日ほど続くと、その後四日間ぐらいは暖かいということ。また、気候がだんだん暖かくなる意にも用いる。
三管四職 さんかんししょく
室町時代の重要な職制で、管領と侍所所司に補された家柄で、「三管」は斯波・細川・畠山「四職」は赤松・一色・山名・京極をいう。
山簡倒載 さんかんとうさい
大酒飲みのこと。酒浸りの人。「山簡」は酒好きな、晋の将軍の名前。「倒載」は、酔って車に逆さに乗せられること。
散官遊職 さんかんゆうしょく
名ばかりでほとんど仕事のない官職。
三跪九叩 さんききゅうこう
清朝の敬礼法。三度跪きその都度三回頭を地に着けるお辞儀をする。(1級)
三窮水尽 さんきゅうすいじん
進退に窮すること。山も川も突き当たりにくれば、それ以上進めなくなるということから。
三教一致 さんきょういっち
三つの教えが根本的には一体であること。中国では儒・道・佛、日本では神・儒・佛の一致が説かれる。
三教九流 さんきょうきゅうりゅう
三教は儒教・佛教・道教。九流は戦国時代の儒家・道家・陰陽家・法家・名家・墨家・縦横家・雑家・農家の九学派を総称したもの。
三侠五義 さんきょうごぎ
中国清代の通俗小説の題名。実在した名裁判官、包拯と侠客の活躍を描く、公案小説と武侠小説をあわせたような作品。
三経三緯 さんきょうさんい
詩経の六義の中の「風」「雅」「頌」の三経と「賦」「比」「興」三緯の併称。前者は詩の性質、後者は体裁上の分類をいう。
三釁三浴 さんきんさんよく
何度もからだに香を塗ってよい香りをつけ、何度もからだを洗い清めること。人を待つときなど相手を大切に思う情をいう。(1級)
三薫三沐 さんくんさんもく
何度もからだに香を塗ってよい香りをつけ、何度もからだを洗い清めること。人を待つときなど相手を大切に思う情をいう。(1級)
三軍暴骨 さんぐんばくこつ
大軍が戦争に大敗し、数多くの兵士が死ぬこと。戦いの激しさや悲惨さをいう。
三潔四無 さんけつしむ
中国衛生改革上のスローガンで家の中・庭・門口の三つの部分を清潔にしておいて蚊・蝿・鼠・床しらみの四つを駆除することを言う。
三県一局 さんけんいっきょく
北海道において開拓使廃止後に設置された行政機関の称。
三言市虎 さんげんしこ
町に虎はいないが、三人まで虎がいるというと、最後にはこれを信じてしまう。誤った話も、多くの人が言えば真実と同じ力を持ってしまうという意味。
三賢十聖 さんけんじっしょう
大乗で、菩薩の修行階位のうち、聖位である十地(十聖)と、それ以前の十住・十行・十廻向(三賢)。
三言二拍 さんげんにはく
中国、宋・元・明三代の口語体の短編小説集の総称。三言とは、明末、馮夢竜編の「喩世明言」「警世通言」「醒世恒言」をいい二拍とは、凌蒙初編の「初刻拍案驚奇」「二刻拍案驚奇」をいう。
三権分立 さんけんぶんりつ
国家権力が,立法〈立法権〉、行政〈行政権〉、司法〈司法権〉に三分され、それぞれを国会、内閣、裁判所が担う制度。相互に監視させることにより、国家権力の暴走を防ぐ効果が期待されている。
三公九卿 さんこうきゅうけい
三公(司徒・司空・太尉)と九卿(時代によって違うが、太常・光録勲・衛尉・太僕・廷尉・大鴻臚・少府・大司農・宗正・執金吾・将作大匠など)。
三綱五常 さんこうごじょう
儒教で、人として常に踏み行い、重んずべき道のこと。「三綱」は君臣・父子・夫婦の間の道徳。「五常」は仁・義・礼・智 ・ 信の五つの道義。
三皇五帝 さんこうごてい
中国伝説上の帝王。伏羲・神農・女媧(かは環境依存文字で女偏に渦からさんずいを取ったもの。)の三皇と、少昊・黄帝・顓頊(せんは環境依存文字で山而頁。)(ぎょくは環境依存文字で王頁。)・帝嚳(こくは環境依存文字で學-子の代わりに告。)・堯・舜の五帝。
三公七民 さんこうしちみん
江戸時代、収穫の三分を領主、七分を農民の所得とする税法。多くは領主の山野に農民が植林し、その成木を三公七民の割合で分収する造林法をいう。
残膏賸馥 ざんこうしょうふく (しょうは環境依存文字でにくづきに券-刀の代わりに貝。)
優れた人物や詩文の形容。人がいた跡に残る香気の意。(1級)
山光水色 さんこうすいしょく
山や水の景色。山水の美。
山高水長 さんこうすいちょう
不朽の功績・名誉を、山がいつまでも高くそびえ、川が永久に流れ続けることにたとえた語。高潔な人の功績や徳望が崇高で、長く人に仰がれることの形容。また、人の品性が高大で高潔なことの形容に用いられることもある。
山肴野蔌 さんこうやそく (そくは環境依存文字で草冠に束欠。)
山のご馳走と食用にする草。山野の肉や野菜。(1級)
三綱六紀 さんこうろっき
「三綱五常」に似た言葉であるが、君臣・父子・夫婦の道に「諸父、兄弟、族人、諸舅、師長、朋友」の道をいい、綱はおおづな、紀はこづなの意を表し、ともに中国における人間関係において守るべき教えを表す言葉である。
三国四師 さんごくしし
日蓮宗で特に法華経を尊んでこれをひろめたインドの竜樹菩薩、中国の天台大師、日本の伝教大師・日蓮上人をいう。
三国鼎立 さんごくていりつ
鼎に三本の足があるように、三者が天下を三分して並び立つこと。
山谷之士 さんこくのし
世を避けて山中に住む人。
残酷非道 ざんこくひどう
むごたらしくて、人の道に背いているさま。また、そのような振る舞いや行い。
三五之隆 さんごのりゅう
中国伝説上の三皇五帝の隆盛な世。
三顧之礼 さんこのれい
立場が上の人が礼を尽くして、すぐれた才能を持つ人を招くこと。または、立場が上の人が立場が下の人に礼を尽くして、仕事を依頼すること。三国時代、蜀の皇帝劉備が諸葛亮を迎え入れるために住居を三回訪問したという故事から。
斬衰斉衰 ざんさいしさい
親しい関係の人の死んだ時に使う喪服。「斬衰」は縁を縫っていない喪服で、君主や父親が死んだ時に使う、最も重い三年の喪の期間に着る服。「斉衰」は縁を縫っている喪服で、母親や妻が死んだ時に使う、二番目に重い一年の喪の期間に着る服。(1級)
三三九度 さんさんくど
結婚式で杯を酌み交わす儀式。
三三五五 さんさんごご
ばらばらと。ちらほらと。あちらに三人、こちらに五人というように、人が行く、また、
残山剰水 ざんざんじょうすい
戦争によって荒れ果てた山や川の様子。または、山水画を描く技法のこと。山や川の全体を描かずに、一部分を描いて雄大な自然を表現する技法をいう。
三思一言 さんしいちげん
繰り返し考えたのちにことばに出すこと。ことばを慎むこと。
三思九思 さんしきゅうし
何度も繰り返しじっくりと考えること。
三辞三譲 さんじさんじょう
三度勧められたら三度断り四度目で受取る。最初は遠慮することも必要であるという礼儀のたとえ。
三思後行 さんしこうこう
三たび思いて後に行う。しっかりと考えた後に行動すること。 元は必要以上に考えすぎること戒めた言葉だったが、現在では軽はずみな行動を戒める言葉として使われることが多い言葉。
三豕渉河 さんししょうか
文字を書いたり読んだりする時に誤ること。 ある史官が「巳」を「三」、「亥」を「豕」と読み誤ったという故事から。 (1級)
三旨相公 さんししょうこう
無能な宰相をあざけっていう言葉。北宋の神宗のとき、宰相の王珪が、つねに聖旨ということを口にするだけであった故事。
山紫水明 さんしすいめい
自然の風景が清浄で美しいこと。日の光の中で山は紫にかすみ、川は澄みきって美しい意から。頻出語。
三豕渡河 さんしとか
読み間違い、書き間違い易い漢字のこと。「己亥の年、河を渡る」と読むところ、己を三にまた亥を豕と読み間違えた故事から。
三師七証 さんしななしょう
比丘が具足戒(僧の守るべき戒律・一般に男僧には二五〇戒・尼僧には三四八戒)を受けるとき三師と七人の証明師が必要とされたこと。
三矢之戒 さんしのいましめ
兄弟や仲間の絆が大切であること。毛利元就が三本の矢を例に、三人の息子たちに力を合わせて困難に立ち向かうようにいった教え。
三枝之礼 さんしのれい
親への礼儀を尽くし、孝行心の厚いことのたとえ。親にへりくだり譲る礼儀。子鳩が木の枝にとまるとき、親鳩より三本下の枝にとまって、親に対する礼儀を守ることからいう。
三尺童子 さんじゃくのどうじ
背の高さが3尺ほどの、いとけない子供。無知な者にたとえる。
三尺秋水 さんじゃくのしゅうすい
秋の冷たく澄んだ水のように磨かれた刀のこと。
三者三様 さんしゃさんよう
やり方や考え方などが、人それぞれで違うこと。三人の者がいれば、三つのさま、様子、形がある意。
三舎退避 さんしゃたいひ
敵から遠くまで退いて、降参をしたという意思を示すこと。または相手を尊んで,あるいはおそれて自分の位置を下げる。おそれはばかって避けること。楚の成王と、晋の文公の故事が有名。軍隊の一日行程を一舎といい古代中国では30里とされた。
三者鼎談 さんしゃていだん
三人が向かい合って話をすること。また、その話。鼎には三本の足がついていることからいう。
三者鼎立 さんしゃていりつ
鼎の足のように、三つの勢力、または三人の人が互いに対立していること。
三十三身 さんじゅうさんしん
観音が衆生済度のため姿を変えたという三十三体の称。
三十三天 さんじゅうさんてん
忉利天(とうりてん)。六慾天の下から二番目の天。帝釈天がその中心に住み、周囲の四つの峰にそれぞれ八天がいる。あわせて三十三天。「六慾天」は慾界に属する六種の天上界、四王天・忉利天・夜摩天・兜率天・楽変化天・他化自在天の総称をいう。 (とうは環境依存文字でりっしんべんに刀。)
三十四身 さんじゅうししん
妙音菩薩が衆生に経典を説き示すために化身したという34種の変化身の総称。
三従七去 さんじゅうしちきょ
儒教の倫理観。女子として則るべき、三つの規範と七つの婦徳をいう。七去は妻が夫の家を去るべき場合を規定したもの。父母に従順でない・子供がない・品行がみだら・ねたみ深い・悪い病気がある・お喋りである。盗みをする。の七つをいう。
三汁七菜 さんじゅうしちさい
日本料理の本膳料理の膳立ての一。三の膳付きの特に丁重なもの。本膳に一の汁・なます・煮物・飯・香の物、二の膳に二の汁・平皿・猪口(ちょく)、三の膳に三の汁・刺身・茶碗、向こう膳には焼き物をつける。
三十七尊 さんじゅうしちそん
金剛界曼荼羅の成身会のうちに配された三七の仏・菩薩・仏神のこと。金剛界三十七尊。
三従四徳 さんじゅうしとく
古い時代に、女性が従うべきとされた三つの道と四つの徳。三従は「家にありては父に従い、嫁に出でては夫に従い、夫死しては子に従う」の三つ。四徳は婦徳(女性らしい道徳)・婦言(女性らしいことば遣い)・婦功(家事)・婦容(女性らしい身だしなみ)の四つ。
三十而立 さんじゅうじりつ
三十歳で独り立ちすること。またはその年齢になったこと。十五志学、 三十而立、 四十不惑、 五十知命、 六十耳順、 七十従心という孔子の言葉から。
三十二相 さんじゅうにそう
仏のもつ三十二の優れた身体的特徴。女性の容貌・容姿に備わる美しさのすべて。
三秋之思 さんしゅうのおもい
1日会わないでいるとずいぶん長い間会わないでいるように思うこと。強く待ちこがれる気持ちをいう。一日千秋。
三十番神 さんじゅうばんじん
本地垂迹説により、日本天台宗と日連宗で、法華経を守護する神として月の三十日に割り当てる三十の神。
三十六策 さんじゅうろくさく
古代中国の36の策略。
三十六神 さんじゅうろくしん
仏道に志して三帰戒を受ける人を守護すると言われる36部の護法神王。三十六善神。
三十六鱗 さんじゅうろくりん
体側に三十六枚の鱗が並んでいることから「鯉」の異名・「六六魚」ともいう。
三十六禽 さんじゅうろっきん
一昼夜12時に夫々一獣を配し、更に1時に二つの属獣をつけた計36の鳥獣。三十六獣。
三十六計 さんじゅうろっけい
兵法における戦術を六段階の三十六通りのに分けてまとめた兵法三十六計のこと。
三十六俵 さんじゅうろっぴょう
相撲の土俵。土俵は直径13尺で36の俵で作られたことから言う。
三十六峰 さんじゅうろっぽう
京都東山のことを言う。
三種神器 さんしゅのじんぎ
歴代の天皇が皇位のしるしとして受け継いだという三つの宝物。八咫鏡(やたのかがみ)・天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)(草薙剣(くさなぎのつるぎ))・八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)。転じてそろえていれば理想的であるとされる3種の品物。
三旬九食 さんじゅんきゅうしょく
生活が極めて貧しいたとえ。一ヶ月に九回しか食事をとれない意から。「三旬」を「二旬」としても用いられる。子思が衛の国にいたとき生活が苦しく、表側の布のない衣服で、三十日間に九回しか食事をとることが出来なかった故事から。
三聖二師 さんしょうにし
天台宗の「伝教」「慈覚」「智証」の三大師と「安然和尚」と「慈慧大師」の二人をいう。
蚕食鯨呑 さんしょくげいどん
強大なものが弱小なものを一気に侵略すること。一気に飲み込むこと。
三職八科 さんしょくはちか
一八六七年の王政復古により新政府の要職として設置された総裁・議定・参与の総称と八つの科。のちに三職八局となりのち廃止された職制。
三事六府 さんじろっぷ
三事は世の中を治めるのに大切な「正徳」「利用」「厚生」を意味し六府は「水・火・金・木・土・穀」を表す。政治倫理。
斬新奇抜 ざんしんきばつ
物事の着想が独自で、それまでに類をみないほど新しいさま。それまでにないほど新しく、思いもよらないほど変わっているさま。
三津七湊 さんしんしちそう
室町時代、日本最古の海商法である廻船法度に定められた十の大港。三津は伊勢の安濃津、筑前の博多津、和泉の堺津。七湊は能登の輪島、越前の三国、加賀の本吉、越中の岩瀬、越後の今町、出羽の秋田、津軽の十三湊。
三水四石 さんすいしせき
大阪天王寺の七不思議。または東山道醒井宿の名所。
三途大河 さんずたいが 仏教の三途の川には流れのちがう三つの瀬が冥途の途中にあり、人が死んで初七日に渡るが、生前の行いによって渡る瀬が異なるといわれる。
三寸不律 さんずんふりつ
三寸の長さの筆。短い筆。
三世一爨 さんせいいっさん
親、子、孫の三世代の家族が一つ屋根の下に住まうこと。(1級)
三世一身 さんぜいっしん
養老七年(723年)に公布された開墾奨励の法。新たに灌漑用水路を開発して開墾した者は本人から三代にわたってその土地の保有を許し、既存の用水を利用して開墾した者は本人一代かぎり保有を許した。
三聖吸酸 さんせいきゅうさん
三聖吸酸図。儒教の蘇東坡、道教の黄山谷、仏教の仏印禅師の三人が、桃花酸という酢をなめ眉をひそめている図。儒教、道教、仏教など宗教は異なっていても酢がすっぱいことは同じで真理は一つという意味。三教一致を風刺したものと言われる。
三牲之養 さんせいのよう さんせいのやしない
牛・羊・豕の三種を備へて手厚く親を養うこと。親を豪華な食事でもてなし孝行すること。 親孝行を惜しまない意。
山精木魅 さんせいもくみ
山の霊と木の精。山野の自然の精霊たちの総称。
三世因果 さんぜいんが
過去・現在・未来の三世にわたって、善悪の報いを受けるということ。
三尺童子 さんせきのどうじ
背の高さが3尺ほどの、いとけない子供。無知な者にたとえる。
三尺秋水 さんせきのしゅうすい
秋の冷たく澄んだ水のように磨かれた刀のこと。
三世十方 さんぜじっぽう
仏教で、限りなく広い時間と空間の全て。
三戦三走 さんせんさんそう
三度戦って三度逃げる。
三千諸法 さんぜんしょほう
三千法とも。あらゆるものの総称、地獄から仏界の十界が円融の理で互いに他の十界を含むので百界等々。これが宇宙の全ての存在と総摂するので三千法という。
三千世界 さんぜんせかい
この世界の全て。全宇宙。 仏教の言葉で、須弥山を中心に四つの大陸があり、その周りに九山八海があるのが一つの世界とするもの。その一つの世界が千集まったものが小千世界とされ、小千世界が千合わせたものを中千世界、中千世界を千合わせたものを大千世界という。 大千世界、中千世界、小千世界を合わせて三千大千世界といい、これを略した言葉で、世間という意味でも使われることがある。
一人の仏が、教え導くことができる範囲とされている。
山川草木 さんせんそうもく
人間以外のあらゆる自然の総称。
三千寵愛 さんぜんのちょうあい
多くの侍女に対する寵愛。
山川万里 さんせんばんり
山川を隔てて遠く離れていること。
三草四木 さんそうしぼく
江戸時代、穀類以外に農家にとって重要な三種の草(麻・藍・紅花または木綿)と、四種の木(桑・茶・楮・漆)。その収穫は米や麦より有利であった。
三草二木 さんそうにぼく
あらゆる草木がその大きさに関わらず平等に雨の惠を受けて育つように、資質・能力に差がある衆生も仏の教えによっていつかは平等に悟りを開くことが出来るということ。また仏のおしえは一つであるが、衆生の受け取り方はさまざまであることのたとえ。「三草」は三種の有用な草、「二木」は大樹・小樹のこと。
山藪蔵疾 さんそうぞうしつ
立派な人物は善悪を包容する度量があるというたとえ。また、優れた人物でも多少の弱点があること。
三蔵法師 さんぞうほうし
仏教の経蔵・律蔵・論蔵の三蔵に精通した僧侶(法師)のこと。日本では通常、「西遊記」でお馴染みの玄奘三蔵をこう呼ぶ。
残息奄奄 ざんそくえんえん
息も絶え絶えで、今にも死にそうなこと。
三諦円融 さんだいえんにゅう
天台宗で、空・仮(け)・中の三諦は独立した真理ではなく、それぞれが他の二諦を含んで三者が相互にとけ合っていること。
三多三上 さんたさんじょう
文章を作るのに適した三つの場所。「馬上」「枕上」「厠上」、乗馬をしているとき、寝床に入っているとき、便所にいるときをいう。宋の欧陽脩の語。
惨憺経営 さんたんけいえい
いろいろなことに苦心して、心を悩まして計画して営むこと。(1級)
三炭三露 さんたんさんろ
茶の湯で、三炭と、席入前・中立前・退席前に露地に打水をする三露とをいう。
三段論法 さんだんろんぽう
大前提と小前提から結論を導き出す推論の形式。
三茶九茶 さんちゃくちゃ
あばた顔(天然痘による顔)を京浜で「みっちゃくちゃ」といったところから出た言葉。
山中暦日 さんちゅうれきじつ
山の中で閑居していると,世間とかけはなれているために年月の過ぎるのを忘れてしまうこと。のんびりして年月の過ぎるのも忘れること。
三長三本 さんちょうさんぼん
日蓮宗の寺でいづれも「長」と「本」のつく三つの寺をいう。長興山妙本寺(相模)長栄山本門寺(武蔵)長谷山本土寺(下総)。
三徴七辟 さんちょうしちへき
真心・礼儀をつくして、優れた人材を招くこと。また目上のものが、ある人物を信頼して手厚く迎えること。
三町三所 さんちょうみところ
広い場所のうち、ただ三か所だけに事を行ってすます意。掃除などを粗略にすること。雑にてばやく仕上げてしまうこと。
斬釘截鉄 ざんていせってつ
毅然とした態度で決断すること。釘や鉄などの硬いものを断ち切るように、さっぱりと決断するようす。(1級)
三敵四友 さんてきしゆう
共産主義の中国における敵と友。帝国主義・封建主義・官僚資本主義の三つの敵と、労働者・農民・小資産・民俗資産の四つの友。
参天弐地 さんてんじち
徳と天地を等しくすること。天地と同じほど大きな徳をもつこと。「参天」は天と交わる「弐地」は地に徳を比すこと、地と自分と天に並び合わせて「三」になることで「参天」という。
三殿八役 さんでんはちやく
江戸時代、三卿(三殿ともいうが)の田安・清水・一橋に付けられた役職であり、八役は家老・番頭・用人・旗奉行・長柄奉行・物頭・郡奉行・勘定奉行をいう。
讒諂面諛 ざんてんめんゆ
ありもしない悪口を言って人を陥れたり、面前で媚び諂ったりすること。(1級)
三島一連 さんとういちれん
作庭の形式、池の中に三つの島を置き、各々に三神山である、蓬莱・方丈・瀛州を表現するもの。中国伝説で渤海中にあって仙人が住むという三神山をかたどる方式をいう。
三同一交 さんどういっこう
幹部が大衆と一緒に食べ(同吃)、住み(同住)、労働(同働)して心を交じり合わせようとすること。
山濤識量 さんとうしきりょう
すぐれた識見や器量を持つ人のたとえ。
三刀之夢 さんとうのゆめ
出世する吉兆の夢をいう。三刀は刕(州の古字)の隠語。晉の王濬が三刀にさらに一刀を益す夢を見たところ、後はたして益州の刺史(長官)となった故事。
三度三度 さんどさんど
食事に関して、一日の朝・昼・晩。毎食。
三途八難 さんとはちなん
三途は「地獄」「畜生」[餓鬼](途を道としたものが日本)と「鬱単越」「長寿天」「聾盲」「膏唖」「世智弁徳」を加えて八難という。
三人吉三 さんにんきちざ
歌舞伎「三人吉三廓初買・サンニンキチザクルワノハツカイ」の通称。世話物・河竹黙阿弥作。お坊吉三・和尚吉三・お嬢吉三の三人を主人公とし、百両の金と名刀庚申丸を巡る白浪物。白浪とは泥棒のこと。
残忍酷薄 ざんにんこくはく
他者に対する思いやりがなく、むごたらしいさま。人の性質にいう。
三人五徳 さんにんごとく
火鉢に用いる三本足の五徳に似るところから三人が車座になること。三人いっしょに事を行うこと。
三人成虎 さんにんせいこ
三人虎を成す。事実無根の事柄でも、多くの人が口を揃えて同じことを言うと、やがては真実として世の中に広まってしまうということのたとえ。
三人文殊 さんにんもんじゅ
特別に頭の良い者でなくても三人集まって相談すれば何か良い知恵が浮かぶものだ、という意味。
残念至極 ざんねんしごく
とても残念でしかたのないこと。 残念の極み。
三年之喪 さんねんのも
父母の喪。三年は足掛け三年で二十五か月。
残念無念 ざんねんむねん
非常に残念である、心残りである。残念至極。
三拝九拝 さんぱいきゅうはい
何度も頭を下げること。何度も頭を下げて敬意や謝意を表すこと。また、手紙の末尾に記して敬意を表す語。
残杯冷炙 ざんぱいれいしゃ
酒宴の残りもの。また、冷遇されて恥辱を受けることのたとえ。(1級)
三百諸侯 さんびゃくしょこう
日本の江戸時代の全ての大名のこと。
三百代言 さんびゃくだいげん
詭弁を弄すること。また、その人。また、弁護士をののしっていう語。明治時代の初期に、資格のない代言人(弁護士)をののしった語から。
賛否両論 さんぴりょうろん
賛成と反対の両方の意見のこと、または両方の意見がどちらも沢山あるような状態のこと。
三分一銀 さんぶいちぎん
江戸時代、田畑の年貢の三分の一を銀に換算して納めた制度。主として関西地方で行われた。三分一銀納。
三武一宗 さんぶいっそう
中国で、仏教徒を迫害した四人の天子。後魏の道武帝、北周の武帝、唐の武宗、後周の世宗の称。
三武一帝 さんぶいってい
道武帝(北魏)、武帝(北周)、武帝(唐)、世宗(後漢)が、佛教を禁止し、僧尼を還俗せしめたことを佛教では「三武一帝の法難」という。
三風十愆 さんぷうじっけん
巫・淫・乱の三つの悪風習とその内容を為す、恒舞・酣歌・貨・色・遊・等々の十の悪業。「愆」はあやまる・過失をおかすの意。
三不三信 さんぷさんしん
「三心」とは浄土に生れようとする信心で真実にかなったもの。即ち「淳心・一心・相続心」をいう。「三不心」はこれに反する心をいう。
三釜之養 さんぷのよう
親が存命中は薄給を厭わずに孝養すべきであること。曽子が,親の存命中は薄給でも孝養を尽くせて楽しかったが,のちに高給を得たときは親の死後で,孝養が尽くせず悲しかったといったという故事から。
三分五厘 さんぷんごりん
それほど値打ちのないことにいう。一分五厘。一銭五厘。
三分鼎足 さんぶんていそく
三者が天下を三分して,ほぼ同じ勢力をもつこと。鼎立。
三平二満 さんぺいじまん
十分ではないが、少しのもので満足し、心穏やかに過ごすこと。
残編断簡 ざんぺんだんかん
書物や文書の切れ端。切れぎれになって残った書物や文書。
三法三到 さんぽうさんとう
宋の米子の読書法。三法は少看熟読・反覆体験・没頭理会、三到は心到・眼到・口到。
三方四方 さんぼうしほう
あちらこちらの方角。諸方。四方八方。
讒謗罵詈 ざんぼうばり
ありとあらゆる悪口をいうこと。罵詈讒謗。悪口雑言。(1級)
三木一草 さんぼくいっそう
建武中興に功のあった南朝方四忠臣の称。三木は名の一部に「き」のつく結城親光・伯耆守名和長年・楠木正成、一草は千種(ちぐさ)忠顕をいう。
三木三鳥 さんぼくさんちょう
古今伝授のひとつ。「三木」は普通「をがたまの木」「めどのけずりばな」「かはなぐさ」をいい「三鳥」は「喚子鳥」「百千鳥」「稲負鳥」または「百千鳥」のかわりに「都鳥」。
三位一体 さんみいったい
キリスト教で、父(神)と子(キリスト)と聖霊は、一つの神が三つの姿となって現れたものであるという考え方。転じて、三つのものが、一つのものの三つの側面であること。三つの別々のものが緊密に結びつくこと。
三面六臂 さんめんろっぴ
三つの顔と六本の腕。一人で数人分の働きをしたり多方面で活躍したりすること。(1級)
三問三答 さんもんさんとう
鎌倉・室町時代の訴訟手続き。訴人の訴状に対して論人(被告)が陳状を提出することを三度繰り返してそれぞれの主張を述べること。
三陽五会 さんようごかい
古代医学で用いられた用語。手足にあるといわれた。太陽・少陽・陽明の三陽と百会・胸会・聴会・気会・腫会の五会をいう。
山容水態 さんようすいたい
山や川の様子・姿。自然の美しい風景をいう。
三浴三薫 さんよくさんくん
相手のことを大切に思う心を言い表す言葉。 人を待つ間に何度も体を洗って、良い香りの香を塗るという意味から。
山林隠逸 さんりんいんいつ
官に仕えず山林に隠れ住むこと。また、その隠者。
三輪清浄 さんりんしょうじょう
他人に対する奉仕の心構え。物を与え、奉仕する人、奉仕を受け取る人、施す物がいずれも清浄でなければならない、というもの。仏教語。
山林之士 さんりんのし
才能を隠して山林に隠れ住む人。
山礪河帯 さんれいかたい
永久に変わらない固い誓約のこと。または、国が平和で栄え続けること。永遠に。何があっても。礪山帯河。
三令五申 さんれいごしん
何度も繰り返し命じること。何度も言い聞かすこと。三度命じ、五度重ねて言いきかす意から。
三老五更 さんろうごこう
中国、周代に、天子が父兄の礼をもって養った長老のこと。天下に孝悌の手本として示された。